「福島レポート」について

私たちの活動の目標は、「福島の人びとが、震災・事故後の生活を幸せに送るための一助となること」です。

 

2011年3月に起きた東京電力福島第一原発事故により、放射線被曝そのものによる健康被害はこれまで報告されていません。しかしその一方で、原発事故は、福島に生きる人々の生活や心身に、深刻な爪痕を残しました。

 

避難そのものや避難生活による心身の健康へのダメージ、避難指示によるコミュニティや生活インフラの破壊、農業や漁業、林業における後継者不足の加速、県産品への風評被害、観光業への打撃、人口高齢化の加速など、その社会的影響は数知れません。

 

これらの問題は根が深く、すぐに解消できる方法もなかなか見つかりません。私たちは、私たちにできることをひとつでも見つけ、1歩でも明るい未来へ進むお手伝いをしたいと願っています。

 

「福島レポート」は、主に以下の3つの課題に着目します。

 

① 放射線に対する不安そのもの

② 放射線に対する不安が引き起こした地域や家庭などの軋轢

③ ①、②が長期的に続いたことによる複雑な心的外傷(トラウマ)

 

とりわけ、心的外傷がもたらす影響は長期にわたり、また「放射線に対する不安」や「家族間・地域コミュニティの軋轢」にループする悪循環の要因になることもわかっています。すべての心的外傷を癒すための基盤として、「『今・ここ』が安全な場所である」という確信を築くことは、もっとも重要かつ最初の一歩です。

 

「福島レポート」は、「『今・ここ』の福島が、健康影響をもたらすような場所ではない」という揺るぎない事実を共有し、そして『今・ここ』に生きる福島の人びとの日常を伝えていきます。

 

「福島レポート」が伝える内容は、以下の3点を切り分け、かつその関りを考えながら構成されています。

 

① 科学的に確かなことを明確に伝える。

② 「不安」「怒り」「悲しみ」「喜び」「楽しみ」など、ありのままの心を受け入れる。

③ 「今いる場所で、一人ひとりが幸せな生活を営むためにどうすればいいのか」を共に考える。

 

このために3つのコーナーを設けています。

 

1.「インタビュー・寄稿」コーナー

 

「明確になった科学的知見はどのような手続きを経ているのか」「まだ科学的に明確ではないことがあるとして、どこまで見通しが立っているのか」などを明らかにする論考やインタビュー記事を、できるだけわかりやすい言葉で掲載し、多くの人が理解するきっかけをつくります。

また、自然科学にかぎらず、社会学や心理学などの人文・社会科学の見地からのインタビューや論考も掲載してまいります。

 

2.「基礎知識」コーナー

 

科学的に明らかになった事実を、正しく、わかりやすく、率直に伝えます。
科学的知見や情報をまとめて、誰でも簡単に参照できるようにします。

 

3.「福島の暮らし」コーナー

 

『今・ここ』の福島で、実際にどのように人々が生活を送っているのかを伝えます。

生産者をはじめとする福島の住民へのインタビュー記事やコラムのほか、四季折々の福島県内各地の写真やイベントレポート、おいしい県産品の紹介や伝統食レシピの掲載などを通して、「福島に行ってみよう」と思えるようなきっかけにもなれればと考えています。

 

どうぞ、「福島レポート」を応援してください。

 

編集長・服部美咲